福祉系人材サービス会社のニッソーネット(大阪市北区、山下吾一社長)はこのほど、第2回「介護人材の採用と活用に関する調査」結果をまとめた。それによると、職員の不足感は7割以上の事業所に達し、介護現場の人材不足の深刻化が一段と浮き彫りになった。一方で、介護職員の外国人労働者の受け入れには、半数以上の事業所が「まったく検討していない」と回答、慎重な姿勢もうかがえた。
調査は8月7~27日、郵送方式で実施。介護事業所452カ所から回答を得た。
調査結果によると、介護職員の数について「大変不足している」(17.5%)と「やや不足している」(58.0%)を合わせると75.5%となり、前年の「不足感」より6.5ポイント上昇した。また、定着率についても、「早急に上げる必要がある」と回答した事業所が前年比8.4ポイント増加して27.9%に上った。
人材不足の実態は、「採用活動をしても集まらない」との回答に顕著に表れており、前年の45.6%から68.0%に急上昇している。同社では「景気回復に伴って他の職種に人材が流れ、定着率以前に採用活動の時点で苦戦している事業所が多い」とみている。
一方で、介護分野への外国人労働者の受け入れ拡大のため、政府が介護を技能実習制度の対象に入れることを検討していることについて、「賛成」と「やや賛成」が36.3%、「反対」と「やや反対」が15.3%、「どちらでもない」が46.5%という結果となり、現場ではまだ「迷い」があることが垣間見えた。
また、受け入れ状況をたずねたところ、「すでに受け入れている」が19.5%、受け入れを予定している」が4.0%、「検討しているが具体的には決まっていない」が18.8%となり、最も多かったのは「まったく検討していない」の54.9%だった。