政府が23日の審議入りを模索していた労働者派遣法改正案は、20日午前中に重要閣僚の小渕優子経済産業相と松島みどり法相が相次いで辞任した余波を受け、28日にずれ込む公算が高まった。安倍首相は2閣僚の辞表を受理、経産相の後任には宮沢洋一参院議員、法相には現在、衆院厚生労働委員長を務めている上川陽子衆院議員を充てる方向で調整している。
小渕前経産相は関連政治団体の政治資金収支問題で、松島前法相は地元選挙区で「うちわ」を配布した問題で辞任した。
政府は当初、窮屈な会期日程の中で派遣法改正案を14日に審議入りしたい方針だったが、重要広範議案に指定されたうえでの段取りや、それに伴う安倍首相の日程などを考慮して23日に審議入りする流れをつくっていた。しかし、今回の2閣僚の辞任でさらに遅れを余儀なくされた格好だ。
法案が成立せず、来年4月の施行ができない場合は、自由化業務で働いている派遣社員が3月末で抵触日のピークを迎える見込みで、現場では職を失う人が続出する懸念がある。法案審議は11月の会期末まで予断を許さない状況となった。
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