政府が今国会の成立を目指す、労働者派遣法改正案の動きが活発になる。遅くとも23日には衆院で審議入りしたい意向で、本会議で塩崎恭久厚労相による趣旨説明と各党の質疑を踏まえ、衆院厚生労働委員会に議案を付託する方針。衆院厚労委では速やかに審議に入り、月内に議論を集中させたい考えだ。
規制のかけ方を抜本的に見直す政府提出の派遣法案は、(1)これまで期間制限のなかった「政令26業務の完全撤廃」、(2)業務単位による期間制限を個人単位(上限3年)とする「業務から人への見直し」、(3)すべての労働者派遣事業を許可制とする「特定派遣事業の廃止」、(4)派遣労働者に対する派遣元の雇用安定措置や、キャリアアップのために必要な環境整備の義務化――などが盛り込まれており、従来までの改正のたびに使われてきた「規制の緩和か強化か」といった単純な色分けを超えた内容となっている。
改正法案については、賛成、部分的に賛成、全面的に反対といったそれぞれ各党、各国会議員の姿勢や考え方があると見られるが、国会審議の場では局所的な議論ではなく、法案全体をみたうえでの深みのある議論が期待される。会期内(11月30日)成立を念頭におく政府は、参院での審議について11月上旬のスタートを視野に入れいている。
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