連合は17日、労働者派遣法改正案の国会審議が来週から始まる公算が高まっていることを受けて、院内集会や国会前での座り込みなど成立阻止に向けた緊急行動を展開すると発表した。同日、東京都内の連合会館で開かれた会見で古賀伸明会長=写真=は「派遣期間制限を実質的に撤廃するなど、労働者保護の後退を招く大きな欠陥のある改悪だ」と、反対姿勢を強調した。
緊急行動の当面の取り組み内容としては、10月22日に衆院第一議員会館で民主党議員や連合関係者による「院内集会」を開き、合わせて議員への要請も実施する。また、10月下旬から衆参それぞれの厚生労働委員会の定例開催日に連合関係者らが毎回傍聴。現時点では24日、29日、31日の傍聴を決めている。
さらに、審議の進展をにらみながら国会前の座り込み行動を行う。まずは、連合が衆院でのひとつの山場と見込んでいる29日に終日実施する予定だ。参院での座り込みの日程は今後詰める。
一方、この日の中央執行委員会では、2015春闘に関する方針と基本構想を確認した。「賃上げ」、「時短」、「政策・制度実現の取り組み」の3本柱を中心に取り組み、特に中小・非正規を軸とした「底上げ・底支え」、「格差是正」に全力を挙げ、デフレ脱却と経済の好循環実現を目指す。
賃上げは月例賃金の引き上げにこだわる取り組みを重視し、定昇相当分の確保を前提に2%以上の賃上げを要求。定昇と賃上げ額を加えた要求は4%以上となる。今後は10月末の組織討議を踏まえ、12月2日の中央委員会で春闘方針を正式決定する。