塩崎恭久厚労相は9日、東京・大手町の日本経団連を訪ね、鵜浦博夫副会長に「長時間労働削減をはじめとする『働き方改革』に向けた取組に関する要望書」を手渡し、周知徹底を要請した。
要望書によると、デフレ脱却に向けた経済の好循環を実現するには労働生産性の向上が不可欠であり、女性をはじめとする多様で柔軟な働き方の実現が必要だが、日本は長時間労働の割合が高く、年次有給休暇の取得率も低い水準にとどまるなど、見直しが喫緊の課題になっている。
このため、政府は(1)著しい過重労働や賃金不払い残業など行っている企業の撲滅に向けた監督指導の強化、(2)休暇の取得促進をはじめとする「働き方の見直し」に向けた企業への働きかけの強化――を2本柱に据えている。9月末に「長時間労働削減推進本部」(本部長、塩崎厚労相)に設置。10月を「年休取得促進期間」、11月を「過重労働解消キャンペーン期間」と定め、“見える形の動き”としてまず経団連に出向いて加盟企業への周知徹底を要請した。