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2014年9月25日

高齢者の就労をどう進めるか  JILPTの労働政策フォーラム

 労働政策研究・研修機構(JILPT)は25日、東京・大手町で労働政策フォーラムを開いた。この日のテーマは「高齢者の多様な働き方と社会参加の実現に向けて~企業・行政・地域の取組み」で、労働力不足が本格化しつつある日本で高齢者の就労促進をどう進めるか、好事例を挙げながら探った=写真

n140925.JPG 清家篤慶応義塾長が「生涯現役社会の実現を目指して」と題して基調講演した後、ダイキン工業の蔵本秀志人事本部課長▽高齢社の有我昌時社長▽ニッセイ基礎研究所の前田展弘主任研究員(東大高齢社会総合研究機構客員研究員)の3人がそれぞれの取り組み事例を報告した。

 清家氏は、高齢社会に突入した日本にとって、高齢者の「生涯現役社会」が解決の一策になるとして、年功賃金の変革、生産性向上に向けた長期的な能力開発、競争力のある中小企業モデルの拡大などを提言した。

 蔵本氏は、ダイキン工業における技術者を中心にした60歳定年後の社員の再雇用制度を紹介。多様な勤務形態を選択できるようにしたことなどから、再雇用率は90%近い高水準を維持しており、65歳以上の社員も130人を超えるなどの成果を公表した。

 有我氏は、高齢者の人材派遣を手掛ける立場から、年金併用の柔軟で無理のない働き方をすることで、高齢者の生きがいにもなっている点を強調。「退職後も仕事を望む人は多く、企業も高齢者派遣のメリットを活用していただきたい」と述べた。

 前田氏は、同機構と千葉県柏市、UR都市機構が同市豊四季台団地で共同実践している「セカンドライフ支援事業」を紹介し、農業、農園、保育・子育て支援、学童保育支援など多様な分野で170人を超える高齢者雇用を実現した、と発表した。

 後半のパネルディスカッションでは、高齢者雇用の成否について、「最後は技術よりも人柄が決め手になる。現役時代の感覚を引きずったままの人は、大体はうまく行かない」(有我氏)と3人の意見が一致。仕事を望む高齢者には苦い“警告”も飛び出した。

 

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