人材紹介大手のジェイエイシーリクルートメント(東京都千代田区、以下JAC)は11日、アジア8カ国を対象とした中途採用時の給与水準に関する調査を発表した。それによると、アジア各国の全体的な傾向として、日系企業の年収は外資系企業よりも低いことが分かった。
同調査は、アジア各国の日系企業と外資系企業の給与水準を比較するもので、対象国はシンガポール、マレーシア、タイ、ベトナム、インドネシア、香港、中国、韓国の8カ国(地域)。調査期間は今年の1月から4月。
調査結果によると、シンガポールでは、製造業の職種で英語スキルを持つ現地採用人材の年収は、日系で約4~6万シンガポールドル(日本円で約338~507万円)なのに対し、外資系は5~7万シンガポールドル(同約423~592万円)と日系が2割程度低い。
こうした傾向は、マレーシアのエンジニア職やタイのサービス業の営業職などでも同様。インドネシアのエンジニア職では、日系と外資系で年収に約2倍の差があった。
JACは、日本企業が国内市場の縮小や飽和状態などを理由に海外展開を模索する動きが活発化している中、優秀な人材の確保には現地の雇用慣習や給与水準などについて、それぞれの国の労働市場と同じレベルに引き上げる必要性があると指摘している。