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2014年8月 1日

政府の労働時間規制見直し提起に「待った」  連合の緊急シンポジウム

n140801_1.jpg 連合は1日、東京都内で緊急シンポジウム「労働時間規制のあり方を考える」を開き=写真上=、政府が6月に閣議決定した「『日本再興戦略』改訂2014」の中に盛り込んだ新たな労働時間制度の創設について、「長時間労働を助長しかねない危険な提案であり、今やるべきことは過労死ゼロの取り組みだ」と厳しく指摘。「労働者保護ルールの改悪阻止」(古賀伸明会長)に向けて広く社会に呼び掛けていくことを確認した。

 シンポジウムには連合傘下の組合員のほか、識者や報道関係者ら約250人が出席。冒頭、古賀会長は「政府提案の問題点をみんなで共有して、そして労働時間規制のあるべき姿を掘り下げる有意義なシンポジウムにしよう」と訴えた。また、全国過労死を考える家族の会の寺西笑子代表が、過労死と残された家族らの悲惨さを伝えながら連合の活動との連帯をあらためて強調した。

 シンポジウムの前半では、「『日本再興戦略』改訂2014」における労働時間法制の見直し提起の部分を中心に、厚生労働省労働基準局労働条件政策課の村山誠課長が要点と目的などを説明。これを踏まえて、連合の新谷信幸総合労働局総合局長が情勢報告と課題提起し、関西大学法科大学院の川口美貴教授が基調報告した。川口教授は政府提案の項目に関する問題点とその理由を簡潔に述べたうえで、「労働時間規制の新たな適用除外制度の創設や裁量は決して行うべきではなく、フレックスタイム制の弾力化も支持できない」と疑問を投げ掛けた。

n140801_2.jpg 後半のパネルディスカッション=写真下=では、新谷氏を進行役に、基調報告をした川口教授、圷(あくつ)由美子弁護士、日本大学大学院総合科学研究科の安藤至大准教授、自動車総連の吉田真之労働法制局長、情報労連の才木誠吾政策局長の5人のパネラーが、実務家や経済学者、産別の労働組合の現場などそれぞれの視点から活発に意見を交わし、労働時間法制の見直しの問題点を多面的に深掘りした。

 結びに、連合の安永貴夫副事務局長が「今回の緊急シンポジウムで挙がった意見や指摘などから考察すると連合の基本的な考え方の正しさ、言い換えれば政府提案の間違いが明確になった。自信を持って世の中に広く訴え、社会的なうねりを起こしていこう」と力を込めた。

 閣議決定した労働時間規制の見直しについては、これから労働政策審議会の場による公労使の議論を踏まえ、政府提出として来年の通常国会に関連法案や改正案を提出する構え。政府は労働時間規制の見直しで「働きすぎ防止の取り組み強化などを狙う」と主張しており、見直しに関して双方が「真逆の捉え方と認識に立つ」という構図になっている。

 

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