1月24日召集の通常国会(会期末22日)は、あす20日が事実上の最終日となる。厚生労働省の労働関係法案に焦点を絞ると、労働者派遣法改正案は未着手のまま衆院で継続審議の手続きをとる運び。また、実質的に政府主導で検討の方向性が厚労省の労働政策審議会に“降りてくる”格好となった、有期雇用の特別措置法案も、衆院を通過したものの、参院での審議は今国会で見送られる方向となった。
20日の各常任委員会の動きで微修正はあるものの、19日現在の見通しでは政府の新規提出法案の成立率は97%前後と極めて高率になる。
派遣法改正案は、条文の誤記問題の対応があるため、あす20日に政府・与党は、①現状のままの継続審議、②法案の再提出を踏まえた継続審議、③正誤表を示したうえでの継続審議、④極端な手法ではいったん、廃案にして秋の臨時国会で修正された法案を冒頭に出し直す、⑤最終日に審議入りと位置付けられる「提案理由の説明」にこぎ着ける――のいずれかの手法を講じる見通しだ。幾通りもある中でいずれを選択するか注目される。ただ、基本的に、秋の臨時国会においても提出した法案の骨格は変わらない。
また、(1)一定の期間内に完了する業務に従事する高収入かつ高度な専門的知識、技術または経験を有する人(上限10年)、(2)定年後に同一の事業主、この事業主と一体となって高齢者の雇用の機会を確保する事業主に引き続いて雇用される高齢者に限って対象とする――という有期雇用の特別措置法案も、参院厚生労働委員会で継続審議となる見通しだ。