難病法案(新法)と児童福祉法(小児慢性特定疾病治療研究事業)改正案を審議していた参院厚生労働委員会は20日、両法案を全会一致で賛成可決した。両法案は一両日中にも本会議で可決、成立の見通しだ。来年1月からの実施に向け、今後は新制度を運用する政省令や指定難病の選定などが焦点になる。
可決にあたり、難病法案については、「指定難病の選定に当たっては…疾病数の上限を設けることなく…見直しに当たっては患者数だけでなく、治療状況や指定された経緯なども考慮しつつ、慎重に検討すること」など10項目の付帯決議が付いた。小慢改正法案についてもほぼ同じ内容の8項目の付帯決議が付いた。
この日は、大家敏志氏(自民)が医療費助成の対象認定について、「声の大きい(患者団体などの)ところは認める、(既認定患者の)既得権を見直さないといった不公平のないよう、認定要件を明確にして公平公正を図る必要がある」と述べ、希少疾病患者の声を代弁した。
また、難病法で想定している「1次医療圏」の指定専門医、「2次医療圏」の基幹病院だけで難病指定や治療が可能かどうか質したのに対して、厚労省側は医師偏在などの現実を踏まえ、「3次医療圏の拠点病院や全国支援ネットワークなどのカバーが必要になる」と述べ、制度構築に大きな課題のあることを認めた。
医療費助成について、小池晃氏(共産)、福島みずほ氏(社民)らが低所得層の自己負担免除の可能性を質したが、厚労省側から「他制度とのバランスや財源の制約などから、ゼロ(無料)はない」(田村厚労相)と返された。