厚生労働省が16日発表した2013年「労働災害発生状況」によると、死亡者数は1030人(前年比5.8%、63人減)と2年ぶりに減少した。死亡者を含む死傷者数(死亡・休業4日以上)も11万8157人(同1.2%、1419人減)と4年ぶりの減少となった。
業種別では、死亡者数が多い業種は、建設業342人(同25人減)、 第3次産業282人(同15人減)、製造業201人(同2人増など)。死傷者数が多い業種は、第3次産業5万1420人(同430人減)、製造業2万7077人(同1214人減)、建設業1万7189人(同116人増)など。
1度に3人以上が被災する「重大災害」は244件で、4年ぶりの減少となった。死傷者数では、特に製造業、交通運輸業、建設業で大きな減少が見られた。
死亡災害を原因別にみると、建設現場の足場などからの「墜落・転落」が266人、機械などによる「はさまれ・巻き込まれ」が132人で、この2つで全体の4割を占める。「墜落・転落」は過半数が建設業で発生、「はさまれ・巻き込まれ」の約半数が製造業で発生 している。
死傷災害で最も多いのは、つまずきなどによる「転倒」が2万5878人、足場などからの「墜落・転落」が2万182人、機械などによる「はさまれ・巻き込まれ」が1万5276人となり、これらで全体の過半数を占める。
一方、派遣労働者の労災は死者が11人(同4人減)、死傷者が3152人(同35人増)。死者は毎年、確実に減少しているが、負傷者は10年を底(死傷者2757人)に毎年増加傾向にあり、派遣元と派遣先の双方による労災対策の取り組みが課題となっている。
労災による死亡者は09年までは順調に減少を続けていたが、10年以降は一進一退が続き、1000人の“大台”を割れないまま。このため同省は、13年度から労災減少に向けて重点的に取り組む「第12次労働災害防止計画」をスタートさせ、全国安全週間(7月1日~7日)などを通じて企業に積極的な労災防止活動の実施を働きかけることにしている。