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2014年5月 8日

4年連続の増収増益、メイテック3月期連結決算  中期経営改革は売上高の過去最高が目標

 技術者派遣のメイテックは8日、2014年3月期連結決算を発表した。景気回復を反映して売上高は749億600万円(前期比6.5%増)、営業利益69億7900万円(同9.8%増)、経常利益69億7800万円(同8.6%増)、当期純利益39億7300万円(同33.7%減)となった。増収増益は4期連続。当期純利益の減少は、昨年の子会社解散に伴う税金費用の減少という特殊要因がなくなったため。年間配当は1株当たり72円(前期99円)とした。

 生産回復によって製造業は自動車や産業機械などの技術者需要が伸び、情報通信や情報管理なども現状を維持した。これに合わせ、同社も新卒採用や中途採用を増やした結果、期末の技術者数はメイテックが5860人(同6.4%増、稼働率94.7%)、メイテックフィルダーズも1460人(同13.2%増、稼働率95.2%)に膨らんだ。

 15年3月期は売上高790億円(前期比5.5%増)、営業利益77億円(同10.3%増)、当期純利益49億円(同23.3%増)の増収増益を予想。今年が同社創立40周年に当たるため、年間配当は記念配当を含めて同101円を予定している。

 また、同社は14年度から3年間の中期経営計画も発表。技術者派遣市場を「ハイエンド」(平均時給5000円レベル)、「ボリューム」(同3500円レベル)、「ニューマーケット」(同2000~3000円レベル)の3ゾーンに分け、これに紹介事業の伸びを見込んでいる。

 これらにより、16年度には売上高880億円、営業利益100億円を目指す。売上高はこれまでの最高だった05年度の832億円を上回り、営業利益はリーマン・ショック前の水準に近い大台回復を狙う。このため、2社で毎年1000人近い新規採用を見込んでいる。ただ、製造業も人手不足が深刻化しており、計画通りに行くかどうかは未知数だ。

 これについて、記者会見した國分秀世社長は「“エンジニア価値”を上げることで、職業人としての自覚を強めてもらえば増員は可能」と自信を見せた。また、今国会に上程された労働者派遣法の改正案に対しては、「派遣会社が一律許可制になることと、政令26業務の撤廃が大きな柱であり、業界の健全化が見込まれ、当社のビジネスチャンスも拡大する。制限職種の撤廃も、キャリアの選択肢に広がり感が出て来るのではないか」と、歓迎の意向を示した。

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