国内の労働力不足に対応するため、政府は外国人労働者の活用拡大方針を決め、まず建設業から始める。4月5日の産業競争力合同会議で安倍首相が制度検討を指示、これを受けて政府は2020年の東京五輪開催に向けて建設労働者不足を補うため、来年度から時限措置として「外国人技能実習制度」の期間を現在の最長3年から2年間延長して5年にするもの。
しかし、技能実習制度をめぐっては「実質的な低賃金労働」との批判があるうえ、賃金不払いなどの問題が相次いでおり、制度の根本的な見直しが必要とする意見が多い。
一方、経済連携協定(EPA)に基づいてインドネシアやフィリピンから介護労働者が来日、就労しているが、長期滞在の条件である介護福祉士などの試験合格者は約240人に過ぎず、人手不足の解消にはほど遠い状況だ。
厚生労働省によると、国内の外国人労働者は約72万人(13年10月時点)に上るが、文化的な摩擦や治安への影響などを考慮すると大幅増には問題もあり、谷垣法相や田村厚労相は慎重な姿勢を崩していない。