国際人材派遣事業団体連合「Ciett」(シエット)の会長に、ランスタッド・オランダ本社のアンネマリー・ムンツ氏=写真=が就任した。27日までにCiett本部が発表した。ムンツ氏はこれまで、欧州地域を代表するEuro-Ciettの会長として世界各国を訪問、ロビー活動などを積極的に展開し、各国の労働関係の研究者や国会議員、経済団体、労働組合などの幹部らとも交流を重ねている。中でも、ムンツ氏は日本との結びつきが強く、上部組織であるCiett本部のトップに昇格することで一層の活躍が期待される。
Ciett(本部所在地・ベルギー)は、世界トップクラスの民間職業サービス企業(法人)と、オランダやイギリス、アメリカ、日本など世界各国の46団体が加盟する国際組織。1967年に創設され、ILO(国際労働機関)やOECD(経済協力開発機構)などの国際機関と対話・協力して、健全な労働市場の創造・雇用の創出・派遣労働者の利益保護を目的とした活動を展開している。日本人材派遣協会も所属しているほか、日本生産技能労務協会との交友も活発だ。
ムンツ氏は、オランダ・ユトレヒト大学卒業(社会・経済法)。2005年からEuro-Ciett会長を務めてきた。ランスタッド本社では広報担当部長。欧州の労働市場政策、規制および労組との対話といった分野が専門。EU派遣労働分野別労組対話委員会の経営者側代表を務め、「フレキシキュリティおよび派遣労働指令」など、多くの共同協約を締結。オランダ派遣労働者集団労働協約交渉委員会委員も長く務め、1999年の「派遣業界“フレキシビィティ及びセキュリティ”オランダ法制」の制定に深く関与した実績がある。
日本との関わりでみると、2012年3月に派遣協が主催した「アジア地区ワークショップ」でパネリストを務めたのをはじめ、今年1月の技能協主催「新春シンポジウム」に特別ゲストとして出席し、「世界の派遣事情」をテーマとした講演や公開のディスカッションに参加している。