衆議院厚生労働委員会は11日、政府が提出していた「難病法案」(新法)と児童福祉法改正案の実質審議を開始した。難病法案は、従来の予算事業から法律事業に転換し、医療費助成の大幅拡充など、難病対策の充実強化を図る。児童福祉法改正案も、小児慢性特定疾患治療研究(小慢)事業の拡充を図る内容で、セットで審議される。
初日は民主、日本維新の会、みんな、結い、日本共産の各党委員が質問に立ったが、難病の定義、希少性の要件、障害者総合支援法との関連サービス、小慢事業と難病対策のトランジション(切り替え)問題など、これまで議論されてきた基本的な“入り口”でのやり取りに終始した。
難病法案では、医療費助成の対象疾病を現行の56疾病から300疾病前後に大幅拡充する代わりに、患者側にも一定の負担を求めるなど、「公平、公正」な制度構築を目指している。しかし、現行制度の恩恵を受けている患者団体の中には“負担増”への反発も根強く、審議にどんな影響を及ぼすか注目される。
同委員会は15日、患者団体など関係者の参考人質疑を予定している。