星野リゾート(星野佳路同グループ代表)など観光、福祉関連企業5社の社長らが3日、東京・銀座の同社本社で記者会見し、企業の休日分散化について、5社による「後ろ倒しゴールデンウイーク(黄金週間)」を試験実施する計画を発表した=写真。休日の分散化拡大に向けた業界のデモンストレーションの性格も持つ。
5社は星野リゾートのほか日本交通、ベネッセコーポレーション、ベネフィット・ワン、ポピンズの4社。黄金週間の4月29日と5月5、6日の3日間を出勤日とする代わりに、5月12~14日(月~水)の3日間を休日に「後ろ倒し」する。
後ろ倒しで取得した家庭は星野リゾートやベネフィット・ワン(会員制)の施設やサービスを割安で利用できるうえ、黄金週間中の出勤にあたってはポピンズのベビーシッター派遣もある。5社の全従業員約1万3400人のうち、比較的休日を変更しやすい本社社員ら約3000人を対象にする。
国内旅行などの消費額は約22.4兆円(2011年度)にのぼるが、その大半は日本人の利用者。星野代表は「人口減が進んでも、分散化などの工夫をすることで、まだまだ市場は伸びる余地が大きい」と強調した。
このテーマは小泉政権当時から議論されていたが、学校や工場を持つメーカーなどの休日問題などと絡み、現在まで大きな進展はない。5社はこれまで、経済同友会の観光立国委員会などで休日分散化を議論、政府などにも「大型連休の地域別取得」などを提言しているが、「まず民間でできることを」と率先して実施することにした。
日本交通内に「休日分散化推進事務局」を設置し、今回の取り組み実施後にアンケート調査を実施、次年度以降の参考にする。来年の実施までに100社程度の賛同企業を募る計画だ。