厚生労働省が28日発表した2012年度「労働者派遣事業報告書」(7万5353事業所)によると、派遣労働者数は約245万人(前年比6.3%減)、派遣先件数は約76万件(同8.1%増)、売上高は約5兆2445億円(同0.1%減)となった=グラフ。派遣労働者数と売上高は4年連続の減少だが、派遣先件数は増加に転じ、売上高も底を打ったとみられる。
派遣労働者数の内訳は一般派遣の常時雇用が約53.6万人(同4.7%減)、登録者数が約163万人(同8.0%減)、特定派遣の常用雇用が約28.4万人(同1.3%増)。東日本大震災の復興需要などが本格化したものの、従来の派遣の就労希望者がパートなどの直接雇用に転換したためではないかと推定される。
派遣料金(8時間換算)は一般が平均1万7106円(同0.2%減)、特定が平均2万3638円(同1.3%減)。派遣労働者の賃金(8時間換算)も各1万1684円(同0.8%減)、1万5337円(同2.2%減)と下がっており、反転するのは13年度からとみられる。
売上高は約5兆2445億円(同0.1%減)で、一般が3兆7161億円(同0.6%減)、特定が1兆5283億円(同1.0%増)となった。
派遣労働者数は08年度の約399万人、売上高も同年度の7兆7892億円がピーク。同年秋のリーマン・ショックによる「派遣切り」や、翌年度からの同省の「専門26業務派遣適正化プラン」などにより、09年度から3年間、派遣市場は大幅縮小が続いたが、減少幅が縮まってきた。
昨年6月時点の派遣労働者、6%減の127万人
一方、厚労省が同日発表した2013年6月1日時点の「労働者派遣事業状況」によると、派遣労働者は約127万人(前年比5.8%減)となった。
内訳は政令26業務が約54万人、製造業務が約24万人、それ以外の業務が約50万人。就労期間別では常時雇用が約80万人、それ以外が約47万人となっている。
政令26業務、製造業務とも前年から減少が続いている。対象は7万4368事業所。