政府は12日、「難病の患者に対する医療等に関する法律案」(難病法案)と児童福祉法改正案を閣議決定した。厚生労働省は近く国会に両法案を提出し、今通常国会での成立を目指す。来年1月からの施行を予定している。
難病法案は、これまで予算事業だった不安定な難病対策から、特定医療費(医療費助成)の助成制度や診断、治療、研究体制などを法制化し、持続可能な安定した制度にするのが目的。同様に、児童福祉法改正案は、子供の難病などに対する小児慢性特定疾病医療支援(小慢)事業の医療費助成を法定給付化するもの。
法制化により、難病の医療費助成の対象は現行の56疾患、約78万人から一気に約300疾患、約150万人に拡大する見通し。小慢の助成も現行の514疾患、約11万人から約600疾患、約15万人に拡大する。事業規模(国費)も、両方を合わせると現行の約1600億円(13年度見込み)から約2140億円(15年度)に増えると試算している。また、難病の場合、1人当たりの月平均自己負担額も現行の約4800円から約3200円に軽減される見通しだ。
厚労省は新法成立後、できるだけ早く医療費助成の対象疾患の選定を行う「第三者委員会」の設置や助成手続きなどの政省令を決定し、来年からの施行に向けて都道府県などへの周知徹底を図ることにしている。