日本予防医学協会主催のシンポジウム「これからの難病研究~新しい治療法の開発」が19日、東京・永田町で開かれた。厚生労働省の難病対策の一環である「難治性疾患等克服研究推進事業」の2013年度分の成果発表会。
今回は難病対策の法制化が決まった直後のため、厚労省疾病対策課の担当者が「国の難病対策について」と題して、昨年暮れに厚生科学審議会難病対策委員会(金澤一郎委員長)が出した報告書の主要部分を解説した=写真。
また、この日のシンポ座長で同委員会の委員も務めた葛原茂樹・同推進事業委員長(鈴鹿医療科学大学教授)が「これからの難病研究について」と題して講演。法制化にあたって主に研究・治療者側の立場から①医学的精度の高い疾患データベースの集積②原因と病態解明の研究③創薬と治療研究④国際共同研究⑤国民啓発による難病研究への協力の推進――の5点の重要性を挙げた。
従来の難病対策は、医師の作成する「臨床調査個人票」を基に、自治体の審査で認定されたものだけがデータベース化されたことから、医学情報としては偏りがちで、自治体からの報告もバラつきが大きかった点を指摘。法制化にあたっては、こうしたデータベース化の精度向上が難病対策の進展のカギになることを強調した。
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