日本難病・疾病団体協議会(伊藤たてお代表)と難病のこども支援全国ネットワーク(小林信秋代表)は18日、東京・新宿で「報告書&予算説明会」を開き、難病患者団体などから約70人が参加した=写真。
厚生労働省の難病対策員会(金澤一郎委員長)と小児慢性特定疾患児(小慢)への支援の在り方に関する専門委員会(五十嵐隆委員長)が昨年暮れに相次いでまとめた報告書に基づき、法改正の見通しなどについて田原克志・疾病対策課長と桑島昭文・母子保健課長らが説明にあたった。
この中で、田原課長は「難病法案」(仮称)の国会提出時期を「2月中旬にも」と述べ、法案作成作業が急ピッチで進んでいることを示唆した。小慢事業の改正児童福祉法案と合わせ、今年の通常国会での成立を目指す。いずれも施行時期は来年1月1日を予定し、すでに計2140億円にのぼる2015年度予算も確保している。
主要政策の一つである医療費助成制度について、難病は現在の56疾患から300疾患程度。小慢は現在の514疾患から600疾患程度に拡大する方針で、これによる対象患者は約89万人から165万人にほぼ倍増する見通しだ。
しかし、この日の説明会では患者団体から医療費助成の適用範囲や「重症度区分」の見通しなど、個別事例に関する質疑応答がもっぱらで、厚労省側からは「まだ決まっていない」との回答が多かった。このため、両団体は新法成立や政省令の骨格が出来上がるころに、また同様の説明会
を開くことにしている。