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2014年1月15日

裁量労働制適用社員の7割が「満足」  厚労省アンケ、労政審の審議に影響も

 厚生労働省が15日発表した「裁量労働時間等に関するアンケート調査」(速報)によると、現在、裁量労働制の適用を受けている専門・企画業務型の労働者の7割が「満足」していることがわかった。この日開かれた労働政策審議会の第107回労働条件分科会(岩村正彦分科会長)で明らかになった。同分科会で審議が進んでいる裁量労働制の拡大の可否に影響を与えそうだ。

 同調査は昨年10月、全国の1万3000事業所、労働者13万人を対象に実施。そのうち、裁量労働制については1691事業所、4327人から回答があった。

 導入効果に対する企業側の感触は「効率よく仕事を進めるように従業員の意識が変わった」が最多の55.2%にのぼり、「従業員のモチベーションが向上した」の27.0%が続いた(複数回答)。また、適用されている従業員のうち、32,9%が「満足」、37.6%が「やや満足」と答え、両者を合わせると70.5%に。「やや不満」「不満」を合わせた26.7%を大きく上回った。

 不満派の具体的理由としては「労働時間(在社時間)が長い」が49.2%、「業務量が過大」が46.7%、「給与が低い」が43.0%と多かった(複数回答)。

 しかし、現在の制度を変更した方がいいかどうかについては、69.3%が「今のままでよい」という現状維持派で、残る変更派のうちでも36.1%が「一定以上の高水準の年収が確保されるなら」という給与面の条件付きだった(複数回答)。

 一方、裁量労働制の適用者にのみ支払われる特別手当のある事業所は55.1%あり、金額は「通常の所定労働時間を超える残業代相当分」として月平均7.7万となった。ただし、金額は5万円未満~10万円以上とバラつきがあり、半数近い48.5%が「不明」と回答している。

 この日の審議はアンケート結果に対する質疑や意見交換に終始。裁量労働制を含む質問に回答した4042事業所のうち、過半数にあたる2099事業所には労働組合があり、比較的安定した制度運用が行われているとみられるが、労組のない事業所が多数を占めている現状があり、労働者側委員からは「制度の実態をどこまで正確に反映しているか、慎重な分析が必要」という意見が出た。

 連合など労組側は、政府や規制改革会議が進めている「多様な働き方」の推進に対して、基本的には賛成しているものの、それが「労働条件の切り下げにつながりかねない」との懸念を強く持っており、同分科会における裁量労働制の拡大審議には慎重な姿勢を取り続けている。

 次回は2月3日。

 

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