人材サービス業界の4団体で活動を展開している横断的組織「人材サービス産業協議会」(中村恒一理事長)は12日、東京都内で理事会を開き、新たに日本エンジニアリングアウトソーシング協会(NEOA、代表理事・西本甲介=メイテック社長)を正会員として迎えることを承認した。7月1日に正式加盟となる運び。同協議会は昨年10月の発足以来、積極的な動きを見せているが、専門的な技術者派遣事業者団体としてコンプライアンス意識やキャリアアップ支援に取り組んでいるNEOA(ネオ)の加盟は、業界のすそ野の広がりと連携、発信力強化に大きな弾みとなる。
同協議会は日本人材派遣協会、日本生産技能労務協会、日本人材紹介事業協会、全国求人情報協会の業界4団体で構成、2011年6月に前身の「人材サービス産業の近未来を考える会」を踏まえて発足した。当初からさらに関係する協会の参画に向けて門戸を開いており、任意団体として事実上の活動を始めた昨年7月からちょうど1年の節目に、「前進」を印象付けた格好だ。
NEOAは、2007年2月に発足。主に特定派遣となる専門的な正社員の技術者派遣事業者を中心に現在10社が加盟。会員社員数は2万1247人(12年3月末現在)で、直近で分かる数値では10年度売上高が加盟10社だけで約1300億円と全体の技術者派遣市場の11.5%を占めている。現在、厚生労働省が設置している有識者会議「今後の労働者派遣制度の在り方に関する研究会」においても、6月6日に開かれた第13回会合でヒアリング対象の業界団体として招かれ、西本代表理事らが活動や意見、提言を主張している。
このほか、医療系の人材サービス業界団体である日本医療福祉人材事業協会(JAMSA、代表理事・磯野晴崇=メディカル・コンシェルジュ社長)が、同協議会では初めてとなる「準会員」として入会が承認された。