政府は6月21日、「経済財政運営と改革の基本方針2024」(骨太の方針)と「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画2024改訂版」を閣議決定した。骨太の方針では、デフレからの完全脱却を主眼に政策を総動員して「賃上げを後押しする」と明記。23年版に引き続き、全世代型リスキリング(学び直し)の促進などを含む労働市場改革を断行するため、「国民会議」の開催を検討する。キャリアアップ支援や企業間・産業間の成長産業への労働移動を総合的に担える人材サービスの役割と責務がさらに高まる見通しだ。(報道局)
骨太の方針2024は、第1章・成長型の新たな経済ステージへの移行、第2章・社会課題への対応を通じた持続的な経済成長の実現〜賃上げの定着と戦略的な投資による所得と生産性の向上、第3章・中長期的に持続可能な経済社会の実現〜「経済・財政新生計画」、第4章・当面の経済財政運営と次年度予算編成に向けた考え方─の4章で構成。岸田政権が発足当初から掲げる「新しい資本主義の実現」を基軸としているため、23年版の「継続・強化」といった政策項目だが、第3章のサブタイトルに「経済・財政新生計画」を加え、持続可能な経済社会そのものが新生計画であることを明確にした。
このほか、特筆されるのは25年度の国・地方を合わせたプライマリーバランス(基礎的財政収支)の黒字化を目指すことを明記。与党内の"積極財政派"を牽制した格好だ。また、予算編成においては「日本経済が新たなステージに入りつつある中で、経済・物価動向等に配慮しながら各年度の予算編成過程において検討する」との文言を盛り込み、25年度から27年度までの3年間はこれまでの歳出改革努力を継続する方針を示した。
政府が最も重要視している「労働市場改革」の施策をまとめた第2章を詳しく読み解くと...
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