スペシャルコンテンツ記事一覧へ

2024年4月15日

派遣・紹介・求人メディアの事業(概況)報告書、厚労省

活況を呈する「雇用仲介サービス」の課題

 厚生労働省は3月下旬、許可制の労働者派遣と民間職業紹介、届け出制になった特定募集情報等提供事業者(求人・求職メディア)に毎年義務付けている事業(概況)報告書の集計結果を公表した。いずれも、求人企業と求職者をつなぐ「雇用仲介サービス」に位置付けられる民間人材ビジネスで、労働者派遣法や職業安定法などの事業法にのっとってサービスを展開。多様な働き方や構造的な人手不足、政府が後押しする円滑な労働移動などを背景に、3事業ともに成長・拡大している。活況を呈する「雇用仲介サービス」について、最新の事業(概況)報告書から足元の動きや課題を分析する。(報道局)

届け出制導入後、初の概況報告書集計

sc240415.jpg 法律用語の特定募集情報等提供事業者(求人・求職メディア)から提出された概況報告書の集計結果は、3月27日に開かれた労働政策審議会労働力需給制度部会で公労使委員に示され=写真、同日中に報道発表された。職安法上における求人メディアの対象を広げ、届け出制を導入した22年改正に伴い、事業者には毎年6月1日時点の運営状況などに関する報告書提出が義務付けられた。

 今回、同部会で公表・説明があった集計結果は法改正後初めてで、提出対象に該当する902の特定事業者すべてが完全提出した。職安法を所管する需給調整事業課と同課に連なる労働市場基盤整備室(22年設置)が取りまとめた。

 事業類型は4つ。従来から馴染みのあるタイプが「1号」で、求人企業から依頼を受けて「求人情報」を求職者に提供(例:求人サイトや求人誌)。「2号」は求人企業から依頼を受けずに、「求人情報」を求職者に提供(例:他の求人サイトの求人情報を集約・転載)。「3号」は流れが逆になり、求職者から依頼を受けて「求職者情報」を求人企業に提供(例:求職者が登録した情報を求人企業等が閲覧し、求職者にオファーができるサービス)。そして、「4号」は求職者等から依頼を受けずに、「求職者情報」を求人企業等に提供する事業(例:求職者がネット上に載せた自己の実績を集約・掲載し、求人企業等が求職者にオファーができるサービス)――と定義している。

 多様化・高度化する求人・求職サービスの将来的な動きも見据え、一般的な「1号」に加えて、新たに「2〜4号」の事業モデルが対象になった格好。これらに該当する事業者を職安法上の「特定募集情報等提供事業」と呼ぶ。

 概況報告書を取りまとめるにあたって厚労省は、できる限り詳細な集計を目指す一方で「クローズアップし過ぎると別に公表されている情報と照らし合わせた際に個社が特定できてしまう恐れのある項目は控える」とし、可能な範囲での詳細分析と個社の特定回避の両立を図った。

 同部会で示された分析で特徴的なのは...


※こちらの記事の全文は、有料会員限定の配信とさせていただいております。有料会員への入会をご検討の方は、右上の「会員限定メールサービス(triangle)」のバナーをクリックしていただき、まずはサンプルをご請求ください。「triangle」は法人向けのサービスです。


【関連記事】
特定募集情報等提供事業者の概況報告書集計
職安法22年改正後で初 労政審需給部会で報告(3月27日)

派遣料金1.8%増、有期は2.1%増
22年度「派遣事業報告」速報、厚労省(3月29日)

22年度の転職市場は拡大、コロナ禍前の水準上回る
厚労省の「職業紹介事業報告」速報(3月29日)

PAGETOP