厚生労働省は5月12日、厚労相の諮問機関である労働政策審議会(清家篤会長)に2023年度の労働行政関係予算の主要施策を説明した=写真・上。岸田文雄首相が掲げる「新しい資本主義」の実現を軸に、「成長と分配の好循環に向けた『人への投資』」を推し進める方針で、労働者のスキルアップ支援と賃金上昇を伴う労働移動の円滑化をセットで展開する。新規事業などを中心に、本年度の雇用・労働分野の施策を点検する。(報道局)
労政審では、厚労省の各担当局長が公労使委員に主要施策のポイントや労政審の分科会・部会における審議状況、法案の国会での審議状況などについて説明=写真・下。それによると、本年度の重点事項は(1)コロナ禍からの経済社会活動の回復を支える保健・医療・介護の構築(2)成長と分配の好循環に向けた「人への投資」(3)安心できる暮らしと包摂社会の実現――を3本柱に据えた。
このうち、雇用・労働の施策を詰め込んだのが(2)で、賃上げ・人材活性化・労働市場強化を束ねた「労働総合政策パッケージ」「多様な人材の活躍促進」「多様な働き方への支援」を前面に押し出している。これに紐づく主な事業として、「事業場内の最低賃金引上げに向けて業務改善に取り組んだ事業者への支援」「キャリア形成・学び直し支援センター(仮称)の設置」「都市部から地方への移住を伴う再就職への支援」などがあり、ウィズ・コロナ社会を意識した攻めの施策が並ぶ。また、硬直化している雇用・労働のルールを柔軟に再整備しようとする姿勢も垣間見える。本年度はこのほか、経済財政運営の基本指針となる政府の「骨太の方針」が6月に明らかになる見通しで、新たに追加・拡充する事業が盛り込まれる模様だ。
人材サービス産業とのかかわりのある新規事業に着目して掘り下げてみると...
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