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2022年9月 5日

派遣法「労使協定方式」、来年度の一般賃金水準を公表

改正法施行後の賃金アップ、待遇改善が顕著

 派遣元が改正労働者派遣法に基づく「労使協定方式」を採用した場合に用いる「来年度の一般賃金水準」について、厚生労働省は8月26日、直近の令和3(2021)年(度)の統計調査を集計して公表した。いわゆる「同一労働同一賃金」の導入に伴う改正派遣法の施行から2年余りが経過。厚労省や労働政策研究・研修機構の調査で、法施行後の派遣社員の賃金や各種手当などを含む待遇改善が広がっていることがわかった。(報道局)

 来年度の一般賃金水準は、職業安定局の局長通達として毎年夏をメドに示される。19年7月の最初の公表から数えて、今回で4回目となる。20年4月施行の改正労働者派遣法は、派遣社員の賃金や待遇について「派遣先均等・均衡」(派遣先方式)か「派遣元の労使協定」(労使協定方式)のいずれかの待遇決定方式を義務化した。この選択制2方式のうち、「労使協定方式」を選んだ場合には、局長通達の一般賃金水準より同等以上でなければならない。賃金水準の根拠となっているのは「賃金構造基本統計調査による職種別平均賃金」(賃構統計)と、「職業安定業務統計の求人賃金を基準値とした一般基本給・賞与等の額」(ハロワ統計)の2種類だ。

sc220905.jpg 改正法施行前と施行後の変化について厚労省が調査した結果、派遣社員の賃金は約半数で上昇しているほか、各種手当など待遇も改善していることがわかり、8月24日に開かれた労働政策審議会労働力需給制度部会で公労使委員に要所を説明した。

 それによると、「派遣先方式」を選択している事業所が約1割、「労使協定方式」が約9割で圧倒的に後者が選択されている。労使協定の締結主体は「労働組合」が6.4%、「過半数代表者」が93.6%。労使協定の有効期間は「1年」が71.7%、「2年」が25.6%、「3年以上」は1.3%で、局長通達の更新が1年であることから、「1年」が主流となっている。

 派遣元が選択できる「賃構統計」と「ハロワ統計」の使用割合は、情報処理・通信技術者で「ハロワ統計」76%・「賃構統計」21%、一般事務員は「ハロワ統計」100%・「賃構統計」0%、製品製造・加工処理は「ハロワ統計」89%・「賃構統計」4%となり、職種によって選択の違いがある。

 また、法施行前と比べて、約半数の事業所で派遣労働者の賃金が上昇。具体的には、「派遣先方式」が48.6%、「労使協定方式」は50.9%、「2方式の併用」は79.6%の事業所で上昇。「労使協定方式」の方がやや高めになっている。逆に「減った」と回答したのは、いずれの方式も0.0%〜0.6%とわずかで、改正法が待遇改善を促進した様子がうかがえる。

 このほか、派遣労働者に適用されている各種手当なども、法施行後に適用割合が上昇。無期雇用派遣と有期雇用派遣のいずれでも、通勤手当や賞与、退職金がアップしている。

ハロワ統計の大改定の影響は

 こうした待遇改善の動きを踏まえて、同部会で公労使委員は...

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