日本人材派遣協会が発表した2022年第1四半期(1~3月)の派遣事業統計調査によると、派遣社員の実稼働者数は平均38万2200人(前年同期比8.7%増)で昨年来の堅調を維持し、コロナ禍初期の20年第1四半期を上回った=グラフ・上。また、回復力に欠けていた転職紹介も、日本人材紹介事業協会の2021年度下半期(21年10月~22年3月)の速報値で4万2952人(同42.9%増)と好転し、コロナ禍前の水準に戻した=グラフ・下。「雇用不安」を乗り越えた派遣と紹介は、すでに深刻な人手不足モードに移行している。(報道局)
派遣の実稼働者数は、派遣協が会員企業516事業所を集計。直近の22年第1四半期を地域別にみると、最も多い南関東が20万9612人(同8.4%増)で21年第2四半期からプラスを維持。近畿は5万8252人(同6.3%増)、東海が3万2758人(同7.1%増)など、全10地域のすべてでプラスとなった。東北や北関東・甲信、北陸、中国、四国、九州は2ケタ台の伸びをみせた。
業務別は、最多の一般事務が18万7717人(同11.9%増)、貿易が1万4421人(同15.2%増)、盛り返してきた製造は1万1150人(同11.8%増)、軽作業が1万801人(同17.1%増)などと伸びた。20年のコロナ禍初年は、テレワークに移行可能な業務と不向きなものの違いが表れた格好だったが、そうしたバラつきも解消されつつある。短期派遣(30日以内)は8万2922人(同17.9%増)で、アフター・コロナへの胎動を感じさせる動きとなった。
転職紹介人数4万2952人、前年同期比42.9%増
転職紹介実績の調査に協力しているのは、人材協会員のジェイ エイ シー リクルートメント、パーソルキャリア、リクルートキャリアの3社。新型コロナの影響が出始めた19年度下半期もかろうじて前年同期比プラスをキープしたが、20年度上半期はリーマン・ショック以来の前年同期比マイナスに転じた。最新の数値となる21年度下半期をみると、対象の6業界(首都圏)のうち、コロナ禍の影響が大きかった「コンシューマー(飲食、旅行、サービスなど)」は8781人(同60.0%増)と高い伸びをみせた。「電機・機械・化学等製造」も5678人(同48.3%増)で勢いがある。また、「建設・不動産」が2685人(同33.7%増)、「IT・通信」が6521人(同31.0%増)、「メディカル」が2482人(同32.4%増)、「金融」も2003人(同12.4%増)とすべてプラスとなった。
地域別では、「首都圏」が2万8179人(同41.1%増)...
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