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2022年4月 4日

職業安定法22年改正、成立までの道のりと今後の流れ

多種多様な「雇用仲介サービス」、将来も見据え交通整理

 多種多様な「雇用仲介サービス」の実態把握と交通整理を狙いとする改正職業安定法が成立した。具体的には、職安法上の募集情報等提供事業者(求人メディア)の対象を大幅に広げ、「届け出制」を導入。指針に基づく助言・指導に加え、改善命令や停止命令、立ち入り検査ができる法令違反に格上げする。一方で、イノベーションを阻害しないよう留意し、伝統的なイメージを超える多彩なサービスについて需給調整の一翼を担う事業者と位置付ける。衆参の国会審議の経過をたどりながら、今後の流れと着眼点をまとめる。(報道局)

sc200113.png 改正職安法は、改正雇用保険法などと束ねて一括上程され、3月3日から衆院本会議で審議入りした。翌4日には衆院厚生労働委員会で審議が始まり、採決を前にした参考人聴取には、平田充(経団連労働政策本部統括主幹)、冨高裕子(連合総合政策推進局長)、八代尚宏(昭和女子大副学長)、酒井正(法政大経済学部教授)、秋山正臣(全労連事務局次長)の5氏が招かれた。

 3月17日までに衆院厚労委と本会議で可決。18日から参院で審議入りし、政府に対する質疑に加えて、採決前は大久保幸夫(リクルートワークス研究所アドバイザー)、村上陽子(連合副事務局長)、山田久(日本総研副理事長)、原田仁希(首都圏青年ユニオン執行委員長)の4氏による質疑応答で議論を深めた。改正法は30日に可決・成立し、施行は原則10月1日と確定した。

 与野党対決法案ではないため、衆参ともに終始落ち着いた議論が展開された。事業者が留意すべきキーワードとしては「届け出」「正確で最新の求人情報」「苦情対応」の3つが挙げられる。参院の付帯決議には、求職者保護の観点から「虚偽の表示を繰り返す事業者への立ち入り検査を躊躇なく実施すること」などが盛り込まれた。

 国会審議では...


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