日本に在留する外国人の減少が続いている。法務省が10月に発表した今年6月末時点の在留外国人数は282万3565人で、2019年12月末から1年半で約11万人減った=グラフ。調査(年2回)のたびに過去最多を更新し、300万人突破が確実視されていたが、世界各国で猛威を振るう新型コロナウイルスの感染拡大がその勢いにストップをかけた格好だ。在留外国人の直近の動向と、コロナ沈静化で受け入れ再拡大の方針を掲げる政府の施策を検証する。(報道局)
属性をみていくと、男性は139万5789人(構成比49.4%)、女性が142万7776人(同50.6%)で、昨年12月末時点に比べていずれも減少した。在留資格別にみると、原則10年以上継続して生活している「永住者」が81万7805人(構成比29.0%、昨年末比1.3%増)で最も多かった。
次いで「技能実習」が35万4104人(同12.5%、同6.4%減)、在日と呼ばれる「特別永住者」が30万441人(同10.6%、同1.3%減)、「技術・人文知識・国際業務(技人国)」が28万3259人(同10.0%、同0.0%)、「留学」が22万7844人(同8.1%、同18.9%減)の順だった。「留学」と「技能実習」の減少が目立ち、コロナ禍に伴う入国制限が影響した様子が見て取れる。
国籍別で最も多かったのは中国の74万5411人(昨年末比4.2%減)で、構成比は全体の26.4%を占めた。次いでベトナムの45万46人(同0.4%増)で構成比15.9%となり、この5年で急増してきたベトナムが長く2位を維持してきた韓国を抜いた。
その韓国は41万6389人(同2.5%減)で14.7%。4位のフィリピンは27万7341人(同0.8%減)の9.8%、5位のブラジルが20万6365人(同1.0%減)の7.3%で、この上位5カ国で全体の74.1%を占めている。
都道府県別にみると、東京都の54万1807人(同3.3%減)をトップに、愛知県、大阪府、神奈川県、埼玉県など大都市圏が続いた。この上位5都府県で全体の52.9%を占める。
法務省はこのほか、日本国内の不法残留者数もまとめた。今年7月1日時点の不法残留者数は7万3327人で、1月1日時点と比べて11.5%減った。国籍別では、韓国がベトナムを抜いてトップになった。韓国は1万2126人(男4770人、女7356人)で最も多かった。次いで、ベトナムが9648人(男7601人、女2047人)、中国が8831人(男5608人、女3223人)と続く。
コロナ禍で在留外国人が減少するという"アクシデント"に見舞われたが、超少子高齢化の日本の人口動態を踏まえ、政府は外国人が生活しやすい環境整備を推し進める方針だ。拡大路線を歩んできた「留学」については、...
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