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2021年7月26日

転職市場も「K字回復」

急上昇するDX人材需要

 国内の転職市場がジワジワ回復している。昨年は新型コロナウイルスの感染拡大で、多くの企業が中途採用を一時停止したが、1年後の今はワクチン接種が進んでいることもあり、景気回復を見込んで再び人材獲得に乗り出しているためとみられる。しかし、業種や職種によって需給関係は大きく異なり、ここでも「K字型」の動きが鮮明になっている。(報道局)

sc210621.jpg パーソルキャリアが毎月発表しているホワイトカラーを中心にした転職求人倍率によると、直近の6月は1.86倍とほぼ横ばい状態。コロナ前の昨年4月ごろまでは2.5倍前後で推移していたが、初めての緊急事態宣言が出た影響で5月が2.03倍、6月が1.66倍と急落したまま1.6倍台の底ばいが続いた。年末になって反転し始め、昨年12月は2.02倍となったが、年明け1月は1.83倍と再び2倍台を割り込み、3月以降は1.8倍台半ばで推移している。

 ただ、倍率は企業の求人数を転職希望者数で割った数字であり、倍率は求人数、希望者数のいずれかの増減によっても変化する。コロナ下では、ほぼ一貫して転職希望者数が増加傾向をたどっている一方、求人数は昨年5月以降に急落したが、8月ごろを底に徐々に増加傾向のまま現在に至っている。ただ、今年6月をコロナ前の19年当時と比べると、求人数の12%減に対して、希望者数は12%増であり、求人はまだコロナ前までには戻っていない。

 問題は業種、職種によって大きな差がみられること。例えば、6月の場合、業種別倍率は「IT・通信」が5.53倍でダントツに高く、「サービス」の1.91倍、「メーカー」の1.56倍など1倍を超えている業種がある一方、「小売り・外食」は0.74倍、「商社・流通」の0.84倍などで1倍を割っている。

 これを職種別にみると、「技術系(IT・通信)」が7.84倍で最も高く、「専門職」が5.12倍、「技術系(建築・土木)」が4.41倍となっている一方、「販売・サービス系」は0.52倍、「事務・アシスタント系」は0.22倍。IT技術者など高度スキルを持つ専門職の需要が高い一方で、サービスや事務など高度スキルの不要な職種への需要は低い。

 この傾向はコロナ以前からそれほど変わっておらず、昨年4月時点でも、「技術系(IT・通信)」は10.71倍だったのに比べ、「販売・サービス系」は1.18倍、「事務・アシスタント系」は0.29倍だった。

 コロナ下でもIT・通信系の技術者人気が高いのは、多くの企業が業種を超えて業務のDX(デジタル・トランスフォーメーション)やEC(電子商取引)化を急いでおり、即戦力となるサポート人材を必要としているためだ。これはコロナ以前からの課題だったが、コロナによってテレワークの定着やバックヤード業務の効率化が一層必要になってきたことが大きな要因となっている。

"コロナ直撃業種"から若手流出?

 これに対して、サービスや事務などはコロナの直撃を受けている宿泊、旅行、飲食、サービスなどの業界を中心に、...


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