2021年度の政府予算案編成で、厚生労働省の概算要求額が過去最大規模になった。7日に公表した財務省の資料によると、一般会計の要求総額は過去最高の105兆4071億円にのぼり、省庁別で最大の厚労省は全体の約3分の1にあたる32兆9895億円。本年度とほぼ同額の要求だが、新型コロナウイルスに関係する経費は「事項要求」として別に上乗せする。空前の人手不足から一転して雇用不安が広がる中、厚労省は「雇用維持・失業予防・再就職」の支援に注力する構え。雇用・労働関係の要求内容を点検する。(報道局)
厚労省は21年度の概算要求で、「ウィズ・ポストコロナ時代の雇用就業機会の確保」を前面に掲げ、(1)雇用維持・失業予防・再就職に向けた支援(2)多様な人材の活躍促進(3)誰もが働きやすい職場づくり――を3本柱に推し進める。9日に開催した労働政策審議会の本体会議で、厚労省幹部は公益、労働者側、使用者側の委員に「雇用維持」「失業なき労働移動」をキーワードに概算要求の重点項目を説明した=写真。
具体的な施策として、「業種・地域・職種を超えた再就職の促進」「派遣労働者など非正規雇用労働者の再就職支援、新規学卒者への就職支援」「就職氷河期世代活躍支援プランの実施」「高齢者の就労・社会参加の支援」「総合的なハラスメント対策の推進」――など14項目を掲げている。
本年度と同じ項目も並ぶが、中身を見ると新型コロナの影響で急激に冷え込んだ雇用情勢をにらんだ「守り」の施策が目立つ。人材サービス企業に密接な事業は...
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