日本人材派遣協会が発表した2020年第2四半期(4~6月)の派遣社員の実稼働者総数は平均35万4829人(前年同期比1.9%減)となり、13年第3四半期(7~9月)から27四半期続いていた前年同期比プラスが途切れた=グラフ。新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、今年の4~6月は政府が緊急事態宣言や移動制限を発令していた期間で、派遣業界もその影響を大きく受けたことが分かる。政府の各種支援策や事業者の対応で減少幅を最小限にとどめた感もあるが、景気の「V字回復」は見込めず、予断を許さない状況が続いている。(報道局)
会員企業508事業所を集計した。地域別にみると、最も多い南関東が19万5499人(同1.4%減)でマイナスに転じたのをはじめ、近畿が5万5888人(同1.8%減)、東海が3万1854人(同2.7%減)など、全10地域のうち9地域がマイナス。唯一、九州は1万8169人(同1.3%増)でプラスだった。
業務別は、新型コロナの影響が明暗を分けた。最多の一般事務が16万8506人(同20.5%増)、貿易が1万2874人(同11.0%増)といずれも二ケタの伸びとなったほか、財務や軽作業もわずかに伸びた。一方、機器操作が4万7288人(同18.7%減)、情報処理システム開発が8684人(同2.0%減)と減少。加えて、規模は小さいものの営業が3643人(同24.5%減)、販売が4160人(同26.6%減)と大きく減った。製造も1万487人(同12.9%減)となり、テレワークに移行可能な業務と不向きなものの違いが表れた。
短期派遣(30日以内)は5万9664人(同37.7%減)で、第1四半期(1~3月)に続いて落ち込んだ。新型コロナの感染拡大で、飲食店などの営業自粛が影響したとみられる。
コロナ禍で進む中小企業の廃業、派遣事業者は?
東京商工リサーチが発表した第7回「新型コロナウイルスに関するアンケート調査」によると、このまま売り上げ減少が長引いた場合、中小企業の8.5%が「廃業を検討」せざるを得ないところまで追い込まれていることがわかった。派遣事業者にとって、企業の減少や衰退は...
※こちらの記事の全文は、有料会員限定の配信とさせていただいております。有料会員への入会をご検討の方は、右上の「会員限定メールサービス(triangle)」のバナーをクリックしていただき、まずはサンプルをご請求ください。「triangle」は法人向けのサービスです。