7月中旬以降、労働政策審議会の動きが活発化する。労働・雇用を巡る新たな法改正の方向や来春施行の改正法に関する政省令策定など、年末にかけて労使が議論を戦わせる。新型コロナウイルス感染症が「働き方」に影響を与える中、ウィズコロナ時代の労働政策とルールづくりに注目が集まっている。今年下半期に展開される労政審の主な分科会・部会の検討テーマや着眼点について整理する。(報道局長・大野博司)
労政審の上部組織となる本審は、9月上旬の開催で調整を進めている。年度始めと折り返し時期の年2回開催が慣例となっているが、今春は新型コロナ感染防止で政府の緊急事態宣言が発令されていたため、今年最初の本審となる。厚生労働省から2021年度予算の概算要求と主要施策の説明を受けるほか、各局所管の労政審分科会・部会の審議状況を確認する。
20年度は、現役世代の減少が進む2040年ごろを見据えた取り組みとして「多様な就労・社会参加の促進」「健康寿命延伸等に向けた保健・医療・介護の充実」「安全・安心な暮らしの確保」――を政策の柱に置いたが、来年度は新型コロナとの共存という新たな切り口を盛り込んだ各種施策が打ち出される見込みだ。
職業安定分科会・雇用対策基本問題部会
来年4月施行の改正法に伴う政省令や運用方法を議論するのは、職業安定分科会の雇用対策基本問題部会だ。ここでは、先の通常国会で成立した「雇用制度改革法」のうち、大企業に中途採用比率の公表を義務付ける「改正労働施策総合推進法」や、企業に70歳までの就業機会を作るよう努力義務を課す「改正高年齢者雇用安定法」について...
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