新型コロナウイルス感染症対策に追われた第201通常国会が、6月17日に閉会した。政府が提出した59本の法案のうち、55本が成立。成立率は93.2%で、今回と同じく会期を延長しなかった昨年の通常国会(94.7%)をわずかに下回った。新型コロナ対策に伴う2度の補正予算編成が影響した格好だが、そうした状況下で政府は、企業とすべての働く人にかかわる「雇用制度改革」や「年金制度改革」の両関連法などを成立させた。厚生労働関係の改正法のポイントや施行日を整理する。(報道局)
150日間の会期中、新型コロナの感染防止と雇用維持の対応に明け暮れた厚生労働省。国会閉会後もその動きは続いているが、先の国会では、大企業に中途採用比率の公表を義務付けることや企業に70歳までの就業機会を作るよう努力義務を課すことなどを盛り込んだ「雇用制度改革法」、パートなど短時間労働者への厚生年金の適用拡大や老齢基礎年金の受給開始時期の選択肢拡大を柱とした「年金制度改革法」が成立した。
また、労働者が企業に未払い残業代などを請求できる期間について、従来の2年から当面3年に延長した「改正労働基準法」が3月末に成立、既に4月1日から施行されている。このほか、介護人材の確保や業務効率化の強化などを実施する「改正社会福祉法」も成立した。
開会前に予定していなかったもので急きょ提出したのが、雇用保険法の「臨時特例法」だ。新型コロナの影響で仕事が休みになったにも関わらず、事業者から休業手当を受け取れない労働者に対して直接給付する新制度で、第2次補正予算の絡みで6月12日に成立している。
6本の改正法を束ねた「雇用制度改革法」
まず、高年齢者雇用安定法や労働施策総合推進法など6本の改正法を束ねた「雇用制度改革法」は...
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