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2020年6月 1日

主要人材ビジネス企業の19年度決算

絶好調から一転、先行き「未定」続出

 主要企業の2019年度決算がほぼ出そろい、人材ビジネス業界は昨年までの増収増益基調から一転、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う業績下降を示唆する数字が相次いだ=表。本格的な影響が現れるのは4月以降とみられることから、20年度の通期見通しを「未定」とする企業が相次ぐなど、事態の深刻度と不透明感が浮き彫りとなった。空前の人手不足を背景にした業界の好景気に急ブレーキがかかり、本年度は険しい道のりが続きそうだ。(報道局)

 業界最大手のリクルートホールディングス(HD)の場合、売上高は過去最高を更新したが、営業利益は前期比7.7%減の増収減益。最大部門の人材派遣が国内(スタッフサービスHDとリクルートスタッフィングの合計)は5%増だったが、海外(スタッフマークHDなど)は為替差損や新型コロナの影響などで9%減と足を引っ張った。求人情報のインディードを含むHRテクノロジーが30%増と貢献した。

sc200601_2.png しかし、4月に入ると売上高は前年同月比で約21%減と大幅にダウンしており、米国におけるコロナ禍でインディードや人材派遣が苦戦するなど、売り上げや収益に及ぼす打撃は必至。このため、決算発表時では20年度の通期見通しや配当を「未定」とした。

 パーソルグループも、人材派遣のアヴァンティスタッフの買収などが奏功して、売上高こそ過去最高を更新したものの、「an」の事業終了や豪プログラムド社の豪ドル安などによって利益は大幅減。新型コロナの影響については、派遣分野におけるマーケティング領域の営業時間の短縮、紹介分野における企業の採用見送りなど、影響が本格化するのはこれからとみている。

 このため、通期見通しは出さず、第1四半期(4~6月)のみを予想。売上高を2161億~2237億円(前年同期比8.1~4.9%減)、営業利益を15億~30億円(同85.1~70.2%減)の減収減益幅を予想するなど...


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