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2020年3月 9日

人材ビジネス業界の新型コロナ対策

テレワーク実施に本社機能分散......

 新型コロナウイルスの感染拡大が日本経済全体に暗い影を落としている中で、人材ビジネス業界も対応に追われている。大型イベントの中止や延期、テレワークの推進、小中高校の一斉休校など、働く人たちの就労形態が著しい制限を受けるようになったためだ。一方で、インターネット授業の無料開放など、社会貢献に動く企業も出ている。(報道局)

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今年、この光景はない

 最も目立つのは就職活動への影響。3月1日から解禁された大学3年生らの就職活動に対して、リクルートキャリア、マイナビ、ディスコの大手3社は、恒例の合同企業説明会を相次ぎ中止し、ウェブを使った相談などに変更した。リクルートは3月末まで、マイナビとディスコは3月前半の日程を中止し、それ以後は感染の拡大状況をみながら判断する。

 その代わり、リクルートは就職情報サイト「リクナビ2021」で、個々の企業の動画説明を学生が視聴できる「リクナビFaceMovie」をアップ。スタートの1日時点で約330社が導入した。マイナビも1日に実施したウェブ版合同説明会「就職WEB EXPO」に参加した約250社について、第1弾の期間限定でライブ配信している。

 もっとも、ディスコが2月初旬に学生モニター1386人を対象に実施した調査によると、同月1日時点でインターンシップに参加済みの学生は92.7%に達し、内定済みも10.0%(前年同期比1.9ポイント増)。3月1日時点でも15.9%(同2.0ポイント増)で、前年より就活ペースは少し早まっていた。学生や大学側は、感染拡大による景気ダウンによって企業の採用意欲が低下する事態を懸念しているが、これまでのところ採用意欲にそれほどの変化はなさそうだ。

 人材派遣企業は自社社員とともに多数の派遣社員を雇用していることから、時差出勤やテレワークの本格導入など、派遣先企業と歩調を合わせなければならず、対応に苦慮している。ランスタッドは北海道で感染者が拡大し、緊急事態宣言が発動されたのを受け、札幌支店と千歳支店を一時閉鎖し、業務はリモート対応で続けている。

 パソナグループは感染拡大を見越して「新型肺炎対策本部」を早期に設け、2月初旬からオフピーク通勤などを実施すると同時に、派遣先企業にも要請。3月からは本社機能を一時的に分散する「リスクヘッジオフィス」を複数設け、3日には東京・八重洲に約100人が就労できる第1号オフィスを開設。自社にとどまらず、リスクヘッジオフィスを考えている企業にスペースを提供するサービスも6日、東京タワーメディアセンター内に開設した。

 一方...


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