日本の大学や専門学校を卒業した後、在留資格の「留学」から就労目的の資格に変更して日本で就職する人が増加している。出入国在留管理庁によると、2018年には過去最多の2万5942人に上り、8年連続の増加=グラフ。企業による新卒の外国人材の獲得意欲はますます旺盛で、留学生の採用だけでは人材不足を充たし切れていないのが実情だ。外国人材と在留資格を巡る最新動向と課題を探る。(報道局)
卒業後にそのまま日本で働いたり、起業したりするためには、在留資格を「留学」から就労目的の資格に変更しなければならない。18年に在留資格の変更が許可された外国人留学生のうち、全体の93.2%を「技術・人文知識・国際業務(技人国)」が占めた。技人国の条件は、国内外の大学や日本の専門学校を卒業した人で、留学中の専門分野と同等の業務に限定。在留期間は最大5年で更新可能、家族の帯同が認められている。
このほかの主な特徴点をまとめると、国籍は中国(香港・マカオを除く)が全体の42.0%で最も多く、次いでベトナム20.2%、ネパール11.3%。アジア諸国だけで95.3%に達している。
就職先の業種は、非製造業が81.6%、製造業が18.4%。非製造業はコンピュータ関連サービスと商業(貿易)の割合が高く、製造業では一般機械と電機が上位を占めた。月額報酬は、20万円以上25万円未満が49.7%で、次いで20万円未満の32.9%、25万円以上30万円未満の10.6%と続く。就職先企業の資本金は、500万円以上1000万円以下が18.1%で最も多かった。
また、就職先企業の従業員数は、50人未満が36.7%、これを含めた100人未満の企業に就職した人は全体の46.8%となっている。
企業が注目する現地の大学卒の新卒採用
企業による留学生の新卒採用は堅調に伸びているが、まだ人材不足を補えていない。企業に新たなビジネスチャンスを広げる可能性があるほか、異なる価値観や教育を受けた人材の融合はイノベーションを起こす環境づくりを促進すると期待され、外国人採用は次代を見据えた“企業戦略”のカギとなっている。
そこで、企業が注目しているが、現地のハイレベルの大学を卒業したアジア高度人材を日本に迎えて採用する仕組みだ。ただ、現地にいる間に日本語レベルをN1またはN2クラスの力を付けていることが採用の条件として重要視されているだけに、現地の大学で日本での就職を念頭にした教育プログラムを受けた学生が望まれている。日本で学んだ留学生の採用とともに、現地の高度人材の新卒採用の動きは今後ますます活発化するとみられている。
技能実習生は拡大、広がり鈍い「特定技能」
出入国在留管理庁によると…
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