来年3月に卒業する学生に対する企業の採用活動は6月解禁から3カ月近く経ち、希望学生の約9割の内定が決まるなど、ほぼヤマ場を越えた。人手不足の長期化を背景に学生側の売り手市場が続く一方、長年の慣行だった新卒一括採用方式に陰りが生じ、企業と学生の双方に新しい動きも出始めている。(報道局)
ディスコのモニター調査によると、8月1日時点の大卒内定率は88.2%で、1カ月前から4.2ポイント上昇、1年前の85.5%を2.7ポイント上回る過去最高レベルに達している。内定を得たことで就職活動を終了した学生は8割を超え、就活を続けているのは2割弱となっている。
マイナビの調査でも同じ傾向が出ており、7月末の内定率は80.0%で、前月から5.6ポイント上昇、1年前より0.3ポイント高くなっている。未内定者を含む就活継続者の割合は37%だった。
今年目立つのは、インターンシップの急激な拡大。ディスコの調査では、内定企業へのインターンシップ参加の有無を聞いたところ、6割は「参加していない」だったが、残る4割は参加していた。「参加していない」人の比率は2年前の72%から60%に減少する一方、「1日以内の参加」は15%から25%に、「2~4日の参加」も6%から11%に急増。しかも、参加時期は就活解禁直前の2月が35%で最も多かったが、その半年前の前年8月が15%から21%に増えており、早い時期に企業との接点を持つ傾向が鮮明に現れている。
インターンシップは本来、「学生の就業体験」を目的にした企業の社会貢献活動という位置づけだったが、経団連が19年春入社の就活生向けにそれまでの「5日以上」から日数要件をはずし、「1日インターンシップ」を解禁して以来、企業と学生の双方にとって事実上の就活の場となった。ディスコの調査結果も、それを裏付けている。
インターンシップは、学生と企業現場の社員が顔を合わせることから…
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