中央最低賃金審議会は7月末、2019年度の最低賃金(最賃)の目安を全国加重平均で27円増の901円とすることを決めた。27円という上げ幅は02年度以降の最高で、引き上げ率も3.09%と16年度の3.13%に次ぐ高さ=グラフ。政府が要望していた「3%以上」に4年連続で沿う結果となったが、中小・零細を中心にした企業経営を圧迫する懸念がある。(報道局)
実際の最賃は賃金・物価などの水準によってA~Dランクに分かれ、同審議会は今回、A(東京など6都府県)は28円、B(京都など11府県)は27円、C(北海道など14道県)は26円、D(鹿児島など16県)は26円の引き上げを決めた。
これを受けて、各都道府県の審議会が8月に引き上げ額を決め、10月から順次実施される。決定通りに引き上げられると、東京は現在の985円から1013円、神奈川も983円から1011円と1000円の大台を超える。一方、全国最低の鹿児島は761円から787円となり、引き上げ率は最大幅の3.5%となるが、東京との差は226円となり、18年度の224円からさらに拡大する。
最賃を実質的に決める同審議会の目安小委員会では、例年になく労使の主張が激しくぶつかり合った。労働者側は非正規労働者の賃金底上げをにらみ、(1)800円以下の地域をなくし、最高は1000円を超えるべき(2)最賃の地域間格差が労働力流出の一因になっているため、Dランクの引き上げを高めるべき――などと主張。
これに対して、経営側は…
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