厚生労働省の有識者会議「副業・兼業の場合の労働時間管理の在り方に関する検討会」(守島基博座長)は、働く人の健康確保を前提とする報告書をまとめた。文言などを整えて8月中旬までに公表する。時間外労働の上限規制と割増賃金については、労働時間の通算管理が困難という実態を踏まえ、通算せず事業主ごとに適用する考え方を選択肢のひとつとして提示する。今秋から労働政策審議会の議論のテーブルにのる見通しだが、労働者側はこの選択肢に懸念を抱いており、行方が注目される。(報道局)
同検討会は昨年7月に設置され、政府が副業・兼業の促進を掲げる中、事業主が異なる際の働く人の健康確保対策や労働時間管理における新たな仕組みや課題などを検討。これまでに、労働時間法制の歴史的経緯を整理したうえで、フランス・ドイツ・オランダの海外視察や、複数の関係団体と企業からヒアリングを重ね、全9回にわたり多面的な角度から現場実態に照らした専門的議論を展開してきた。7月25日に最終会合を開き、報告書の取りまとめにこぎ着けた=写真。
報告書で最も重要な点は…
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