7月21日投開票の第25回参院選が、4日に公示された。先の通常国会で政府が与野党対決法案を回避したことや、特別な勢いを持った既成政党が見当たらないこともあり、“静かな”滑り出しとなっている。与党の国会運営や憲法改正議論などに影響する獲得議席数に関する「焦点」は明確だが、「争点」とされる年金制度や消費増税などは、まだ有権者の多くに響きわたっていない様子だ。選挙の着眼点や今後の政治日程などを探る。(報道局長兼労政ジャーナリスト・大野博司)
参院議員の任期は6年だが、3年ごとに半数を改選して議席を決める。今回は昨年7月の公職選挙法改正で定数が6増えたため、選挙区74と比例区50の計124議席を争う。改選の過半数は63議席。焦点となる非改選議員を含めた与党(自民・公明)の過半数到達には53議席。また、憲法改正の発議が可能となる「3分の2」を与党などで維持するには、改憲勢力で85議席が必要となる。
選挙区において今回は、「1人区」「複数区」ともに激戦、接戦となっている都道府県(合区を含む)は限定的だ。投票行動を大きく変える波乱が起きないまま投開票日を迎えた場合…
※こちらの記事の全文は、有料会員限定の配信とさせていただいております。有料会員への入会をご検討の方は、右上の「会員限定メールサービス(triangle)」のバナーをクリックしていただき、まずはサンプルをご請求ください。「triangle」は法人向けのサービスです。