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2018年11月 5日

対象5業務、本当に区分可能か?

高度プロ制度で厚労省が素案

 労働政策審議会の労働条件分科会(荒木尚志分科会長)で審議されている「高度プロフェッショナル制度」(高度プロ制度)について、事務局の厚生労働省から具体的な五つの対象業務例が素案として提示された。基本的に同分科会が5年前に建議し、国会審議を経た内容と同じだが、どこまで現実的な業務区分になっているのか曖昧な部分も多く、議論が紛糾する可能性もある。(報道局)

 同制度の対象となるのは金融商品の開発、金融ディーラー、アナリスト、コンサルタント、研究開発の5業務。素案によると、金融商品の開発業務の場合、対象になる業務と対象にならない業務との区別はのように例示している。しかし、金融の現場では両者が密接に絡んでおり、素案が示すような働き方をしている労働者が多いのは確かにしても、素案のように業務区分するのは実質的に困難だ。

sc181105.png 素案にしても、対象にならない業務を列挙する一方で、売買・資産運用業務の中には「金融ディーラー業務に該当する場合がある」、市場動向分析の中にも「アナリスト業務に該当する場合がある」などとただし書きを付けており、現実には各業務が相互にかぶり合うケースが大半だ。他の4業務もほぼ同様で、少しでも対象外業務とだぶったらアウトなのか、多少のだぶりならOKなのか、そうした議論はこれから。

 高度プロ制度の対象を「勤務時間に縛られず、成果で評価される業務」に限定したため、実際の業務から“抽出”した結果だが、実態と大きくズレている面は否定できない。しかも…

 

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