日本人材派遣協会がこのほど発表した2018年第2四半期(4~6月)の派遣事業統計調査(514事業所)によると、派遣社員の実稼働者数は平均35万4177人(前年同期比3.2%増)で、09年第2四半期以降で最多となった=グラフ。有効求人倍率が1.62倍という44年ぶりの高水準にある中、企業の求人意欲はあらゆる雇用形態で旺盛。こうした流れに派遣需要も連動している格好だが、伸び率は鈍化傾向にある。(報道局)
統計調査を開始した08年の実稼働者数の年間平均は43万161人だったが、その後、リーマン・ショック(08年)や東日本大震災(11年)などの影響を受け、13年第2四半期には27万人台に激減。その後は、景気回復と少子高齢化に伴う人手不足を背景に緩やかに持ち直してきている。
ただし、15年9月に施行された現行法の労働者派遣法には、「事業所単位」と「個人単位」でそれぞれ3年の期間制限や、派遣社員に対する雇用安定措置やキャリアアップの義務化などが盛り込まれているほか、「届け出制」が認められていた特定派遣事業者を廃止してすべて「許可制」の一般派遣事業者に一本化(施行後3年の経過措置)することも明記されており、今夏以降の稼働者数にどのような変化を与えていくのか注目される。
また、今後の動きとして、施行から丸6年を迎える「派遣法12年改正」の見直し議論と、改正派遣法を含む「働き方改革関連法」の成立を踏まえた対応も焦点となる。現行法における短期派遣(日雇い)の…
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