立法府である国会で、法案審議が止まっている。「森友学園」を巡る財務省の公文書改ざん問題、野党6党が追及する「加計学園」の獣医学部新設の経緯に関する疑念などに加え、政府に直結する組織や個人の不祥事が連日のように続いているためだ。それぞれの疑惑究明は大切だが、動きは政局絡みに発展。こうした状況に「重要な法案審議と並行して進められないのか。極めて憂慮すべき事態だ」と、労働界と経済界の双方から指摘の声が挙がっている。(報道局)
春の大型連休を前にした4月23日から5日間の与野党の攻防が、後半国会の行方と流れを決める大きなヤマ場となりそうだ。政府が最重要と位置付ける「働き方改革関連法案」の審議入りは想定よりも大幅に遅れており、実質的に5月からの本格審議となる。
残業時間の罰則付き上限規制や高収入の一部専門職を労働時間の規制から外す成果型の「高度プロフェッショナル制度」(高度プロ)の問題だけでなく、「雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保(同一労働同一賃金)」のテーマは、現場の混乱を避け、正しい理解を浸透させていくためにも、十分な審議時間と詰めた議論が必要だ。既に会期末(6月20日)まで2カ月を切っているが、日程闘争に明け暮れる国会の現状をみると、地に足の着いた法案の熟議は期待できそうにない。
そうした中で、今後の政治・政局と法案審議の展開を整理すると…
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