4月初旬の閣議決定と国会提出が見えてきた「働き方改革関連法案」。2016年1月22日の通常国会における施政方針演説で安倍晋三首相が「長時間労働の是正と同一労働同一賃金の実現」を表明してから2年余が経過し、いよいよ関連法案の本格的な国会審議が始まろうとしている。しかし、財務省の決裁文書改ざんや厚生労働省の裁量労働制に関する不適切な調査データ問題などが原因で、官邸主導の突破力と求心力は今年に入って急速に弱まっており、重量級の労働法8本を束ねた与野党対決法案の着地点は見えにくい。政府が目指す会期内(6月20日)成立に「立ちはだかる壁」を検証してみる。(報道局)
15年の派遣法改正は審議入りから成立まで約4カ月
国会で政府提出法案を会期内成立させるためには、「日程の壁」を越えなければならない。そこには、国内外の政治問題や各省庁の政務三役のスキャンダル、国の機構・団体などの不祥事などによって、国会全体、あるいは各常任委員会が空転したり、野党から集中審議を求められる突発的事態も大なり小なりあり得ると見るべきだ。既に、表面化している問題もあれば、これから発生、明らかになるものもあるだろう。
そうしたことを念頭に、後半国会の目玉のひとつである「働き方改革関連法案」に焦点を絞り、法案提出後に重要広範議案に指定された場合の審議日程を具体的かつ現実的に、過去の与野党対決法案の例も含めて見ていくと…
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