スペシャルコンテンツ記事一覧へ

2017年3月27日

発足から半年、「働き方改革実現会議」の経過と今後

同一労働同一賃金、長時間労働是正など「実行計画」の着眼点

 昨年9月下旬に発足した政府の「働き方改革実現会議」(議長・安倍晋三首相)が、27日で半年の節目を迎えた。同一労働同一賃金の導入や、長時間労働の是正に向けた罰則付きの残業上限規制など、9つのテーマを掲げて会合と発信を続けてきた。「迅速で画期的」との声と、「拙速で強引」という相反する評価が聞かれる中、一両日中にもそれぞれのテーマについて一歩踏み込んだ方向性と工程を盛り込んだ「実行計画」を公表する見通しだ。同会議の半年間の経過と「実行計画」の方向性、今後の展開などを整理する。(報道局)

「働き方改革は最大のチャレンジ」と首相、担当相を新設して実現会議を置く

 安倍首相は昨年8月3日に第3次安倍第2次改造内閣の閣僚を発表。「働き方改革担当相」を新設して、一億総活躍担当相の加藤勝信氏を兼務させた。同日の官邸での会見で安倍首相は「最大のチャレンジは、『働き方改革』だ。長時間労働を是正し、また同一労働同一賃金を実現し、非正規という言葉をこの国から一掃する」と強調。そのうえで、「働き方改革実現会議を設置・開催し、塩崎恭久厚労大臣と緊密に連携しながら、年度内を目途に『働き方改革』の具体的な実行計画を取りまとめてもらう。スピード感をもって実行していく」と述べた。

is141020.JPG その翌月の9月27日に内閣官房を事務局として同会議が設けられた。顔ぶれは関係閣僚9人、有識者15人で構成。初会合で、(1)同一労働同一賃金など非正規雇用の処遇改善、(2)賃金引き上げと労働生産性の向上、(3)時間外労働の上限規制の在り方など長時間労働の是正、(4)雇用吸収力の高い産業への転職・再就職支援、人材育成、格差を固定化させない教育の問題、(5)テレワーク、副業・兼業などの柔軟な働き方、(6)働き方に中立的な社会保障制度・税制など女性・若者が活躍しやすい環境整備、(7)高齢者の就業促進、(8)病気の治療、子育て・介護と仕事の両立、(9)外国人材の受け入れの問題―の主に9つのテーマを掲げることを申し合わせた。それからの半年間は、官邸を頂点とする政府・与党の「政治主導型」を前面に押し出して動いてきた。

大詰めの「実行計画」策定・公表

 同会議の各テーマにおける「実行計画」の内容は、大詰めの段階に入っている。主なテーマの現時点での概要をまとめると…

 

※こちらの記事の全文は、有料会員限定の配信とさせていただいております。

 

【関連記事】
繁忙期の残業上限「月100時間未満」で決着
働き方改革実現会議(3月17日)

同一労働同一賃金の指針案を提示・公表
政府の働き方改革実現会議(2016年12月20日)

「ガイドラインの制定・発効には適切なプロセス必要」
同一労働同一賃金の有識者検討会が中間報告(2016年12月16日)

「働き方改革実現会議」が初会合
乱立する会議体、問われる実効性(2016年9月27日)

 

PAGETOP