日本人材派遣協会が発表した2016年第3四半期(7~9月)の派遣事業統計調査(500事業所)によると、派遣社員の実稼働者数は平均31万7955人(前年同期比5.1%増)となり、微増傾向を維持して13年第3四半期(7~9月)から13四半期連続の増加となった。人材不足で正規、非正規ともに企業の求人意欲は高く、こうした全体的な流れの中で派遣需要も緩やかに伸びている。(報道局)
業務別では、割合の大きい「一般事務」が11万1401人(同49.4%増)、「機器操作」が6万9227人(同11.3%減)、「財務」が1万5398人(同16.9%減)となっている。割合が小さい「情報処理システム開発」は6236人(同12.8%減)、「貿易」が6695人(同30.9%増)、「営業」は3467人(同35.8%減)、「販売」が6094人(同9.7%増)、「製造」が9656人(同9.9%増)、「軽作業」は8232人(同33.6%減)だった。増減にはバラつきがあり、「一般事務」が微増の主力となっていることが分かる。
ただし、昨年9月末に施行された改正労働者派遣法で、期間制限のない政令26業務と制限のある一般(自由化)業務との区分が撤廃されたことと、その経過措置などに伴い、15年第4四半期(10~12月)あたりから旧区分の「機器操作」などが減少する一方で、「一般事務」が大幅に急増しており、第3四半期もその傾向が如実に表れた結果とも言える。
一方、「紹介予定派遣」の稼働者は5996人(同19.6%減)と5四半期連続の減少。派遣先企業に正社員などで雇用される成約件数も2945件(同13.4%減)と15年から減少が続いている。
短期派遣の「日雇い労働者」は8万7439人(同23.6%増)となり、16年の第1四半期から3期連続で増加した。
「北海道」「東北」の減少は依然続く
同調査では全国を10ブロックに分けており、「北海道」は第1四半期に約2年ぶり、「東北」は約1年半ぶりの前年割れとなったが、今回もこの2ブロックのみ減少が続いている。一方、稼働数最大の「南関東」は13年第3四半期からの増加が続いて17万7125人と前年同期比で8474人増えた。
このほか、「北関東・甲信」「北陸」「東海」「近畿」「中国」「四国」「九州」は、いずれも3~8%台の伸び率をみせている。