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2016年8月 8日

第3次安倍第2次改造内閣の厚生労働省の政務三役

塩崎厚労相が3年目へ、労働担当は橋本副大臣と堀内政務官

 安倍晋三首相は8月3日に第3次安倍第2次改造内閣の閣僚を固め、5日に各省庁の副大臣と政務官を決めた。9月召集予定の臨時国会における新たな「政府の布陣」が整った。2014年9月に厚生労働相に就任した塩崎恭久氏(自民)は留任し、来月で3年目に入る。新設された「働き方改革担当相」は、一億総活躍担当相の加藤勝信氏(同)が兼務する。厚労省の政務三役を中心に、今回の改造内閣の全体像をまとめた。(報道局)

女性閣僚は大臣経験者の3人、副大臣25人、政務官27人

is160808.JPG 19閣僚のうち8人が初入閣で、留任は8人、大臣経験者が3人。女性閣僚はいずれも大臣経験者で、留任(高市早苗総務相)・再入閣(稲田朋美防衛相)・横滑り(丸川珠代五輪相)の3人となった。副大臣は、自民22人、公明が3人の計25人となり、このうち女性は厚生労働の古屋範子氏(公明)の1人。政務官は、計27人で、女性は3人。内閣の背骨である官房長官、財務・金融、外務の3閣僚は、政権を奪還した2012年12月の第2次安倍内閣誕生以来、交代していない。

安倍首相、「働き方改革」で塩崎厚労相と加藤担当相との連携を強調

 塩崎氏は東大卒。日銀出身で、衆院当選は7回(愛媛1区)。この間、参院議員も経験。第1次安倍内閣で官房長官を務めている。厚労相就任直前までの主な役職は、党政務調査会長代理、日本経済再生本部の本部長代行、衆院予算委員会の筆頭理事など。

 塩崎厚労相は4日の会見で、「できる限り早く36協定のあり方についてしっかり検討する」と述べ、法定労働時間以上の残業や法定休日出勤を課す場合に労使で結ぶ「36(さぶろく)協定」について議論する有識者検討会を立ち上げる考えを示した。9月初旬にも初会合を開き、長時間労働の是正につながる方策もテーマに入れる意向だ。
 
 「働き方改革担当相」を兼務する加藤氏は、東大卒業後、大蔵省(現財務省)に入庁。03年に比例中国ブロックで衆院初当選。現在は小選挙区で当選5回(岡山5区)。党厚生労働部会部会長、内閣官房副長官、内閣人事局長などを歴任している。

 安倍首相は3日の官邸での会見で「最大のチャレンジは、『働き方改革』だ。長時間労働を是正し、また同一労働同一賃金を実現し、非正規という言葉をこの国から一掃する」と強調。そのうえで、「『働き方改革実現会議』を開催し、塩崎厚労大臣と緊密に連携しながら、年度内を目途に『働き方改革』の具体的な実行計画を取りまとめてもらう。スピード感をもって実行していく」と述べた。

厚生労働は2副大臣、2政務官の体制を維持

 厚生労働の副大臣は、橋本岳氏(自民)と古屋氏を起用した。政務官には堀内詔子氏(自民)、馬場成志氏(同)を充てた。労働担当は、橋本副大臣と堀内政務官が担う。副大臣と政務官の体制は省庁によって異なるが、それぞれ2人ずつの体制を維持した。

 橋本氏は慶大大学院卒。衆院岡山4区選出で当選3回。衆院外務委員会理事のほか、自民党外交部会長や労働力確保に関する特命委員会の幹事・事務局次長などを務めた。父は元首相の故橋本龍太郎氏。14年9月の第二次安倍改造内閣で、厚労政務官を経験し、当時は主に医療・介護分野を担当した。

 古屋氏は公明の副代表。早大卒で、03年の比例南関東ブロックで衆院に初当選。その後、同ブロックから5期連続当選している。総務大臣政務官のほか、衆院厚生労働委員会理事、消費者問題特別委員会理事などを歴任。今回は主に医療・介護・子育ての分野を担当するが、労働分野にも明るい。第二次安倍内閣が発足当初(12年12月)から、厚労副大臣のポストのひとつは公明の議員が務めている。

 政務官で労働担当となる堀内氏は、学習院大卒。12年の衆院山梨2区で初当選。14年に比例南関東ブロックで復活当選、現在2期目。党広報戦略局次長、党行政課企画推進本部幹事、党女性活躍推進本部事務局次長などを歴任し、今回、初めての政府入り。義父は労働相や通産相を務めた堀内光雄氏。

 馬場氏は、13年の参院選で熊本選挙区から初当選。熊本工業高卒。熊本県議5期、熊本市議2期を経ての国政入り。参院の議院運営委員会理事、党農林部会副部会長、党水産部会副部会長などを歴任している。

 

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