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2016年6月13日

1~3月の派遣社員実稼働者数、11四半期連続の増加

改正法の業務区分撤廃が集計に影響 派遣協調査

 日本人材派遣協会が7日に発表した2016年第1四半期(1~3月)の派遣事業統計調査(500事業所)によると、派遣社員の実稼働者数は平均31万7590人(前年同期比2.3%増)となり、13年第3四半期(7~9月)から11四半期連続で増加した。非製造業を中心にした人手不足の慢性化により、正規、非正規とも企業の求人意欲は高く、派遣需要も伸び続けているが、労働人口の減少による人材の払底感も強く、伸び率はやや鈍化傾向にある。(報道局)

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 業務別では「機器操作」が6万9704人(同13.3%減)、「財務」が1万6168人(同13.8%減)、「一般事務」が12万1388人(同58.6%増)に急増。「軽作業」は1万3487人(同9.2%増)だった。

 一方、「紹介予定派遣」の稼働者は5627人(同17.2%減)と3四半期連続の減少。派遣先企業に正社員などで雇用される成約件数も3036件(同7.2%減)と昨年来の減少傾向が続いている。

 短期派遣の「日雇い労働者」は8万711人(同4.5%増)となり、14年後半から続いた前年割れ傾向から一転、増加に転じた。

 昨年9月末に施行された改正労働者派遣法で、期間制限のない政令26業務と制限のある一般(自由化)業務との区分が撤廃されたため、「政令業務と自由化業務」という分類もなくなった。しかし、既契約については旧区分の存続を3年間認める経過措置が取られたことなどから、派遣会社によっては旧区分のまま集計する企業と、すべて「一般事務」として新たに集計する企業に分かれている。

 このため、15年第4四半期(10~12月)あたりから旧区分の「機器操作」などが軒並み減少する一方で、「一般事務」が急増する“混乱”が続いており、派遣協では「法改正の影響が一巡する今年第3四半期ぐらいまで、この傾向が続く可能性がある」とみている。

「北海道」「東北」が減少、主力の「南関東」「近畿」は堅調

 同調査では全国を10ブロックに分けており、「北海道」は約2年ぶり、「東北」は約1年半ぶりの前年割れ。稼働数最大の「南関東」は13年第3四半期からの増加が続き、実稼働者数は17万8240人で前四半期からさらに3000人近く増えた。

 「北関東・甲信」と「九州」は増加率が鈍化しており、「北陸」「四国」はマイナス基調のまま。しかし、「東海」「近畿」「中国」は「南関東」を上回る伸び率を維持しており、稼働者数でみる限り、地域による“まだら模様”が続いている。

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