政府が今国会に提出を予定していた厚生労働省関係9法案と、他省庁の所管・共管の雇用・労働関係2法案の計11本が、すべて国会に提出された。8月第2週までを念頭にした大幅な会期延長も現実味を帯びる中、予算以外の法案審議が動き出している。主な各種法案の最新動向や、与野党の対決法案である労働者派遣法改正案の審議日程の見通しについて、与党幹部らへの取材を基に整理する。(報道局)
若者雇用促進対策法案は参院先議で17日に通過
今国会における厚生労働省関係は、
(1)戦後70年を念頭に置いた戦没者の妻らに対する特別給付金支給法改正案
(2)国民健康保険法改正案
(3)厚労省所管の独立行政法人改革推進法案
(4)労働者派遣法改正案
(5)勤労青少年福祉法改正案(若者雇用促進対策法案)
(6)社会福祉法改正案
(7)医療法改正案
(8)労働基準法改正案
(9)確定拠出年金法改正案
加えて、他省庁の所管または共管の雇用・労働関係は、女性活躍推進法案(内閣官房・内閣委員会)と外国人技能実習に関する新法(厚労、法務両省共管・法務委員会)――の2法案となっている。
一方、政府が提出検討中に位置付けるGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)を改革する年金積立金管理運用機構法案は、今国会への提出が見送られる見通しが高いとされながらも、大幅な会期延長があり、かつ国会情勢の環境が与党ペースであれば、提出して審議入りする可能性も完全には消えていない。
上記法案のうち、(1)の戦後70年戦没者遺族に対する特別給付金支給法改正案は、3月18日に衆院で審議入りし、参院に送られた後、3月31日に可決・成立。即日、公布された。
(2)の国民健康保険法改正案は、4月14日に衆院本会議で趣旨説明が行われ、同15日から所管の衆院厚生労働委員会で審議入り。政府は、月内に参院へ送りたい意向だ。
(3)の厚労省所管の独立行政法人改革推進法案は、3月27日に衆院厚労委で審議入りし、4月14日に衆院本会議を通過。参院へ送付された。
(5)勤労青少年福祉法改正案(若者雇用促進対策法案)は、対決法案でないこともあり、参院先議を野党が了承。4月14日に参院厚労委で審議入りし、同17日の本会で可決、衆院へ送られた。
これ以外の法案は、大型連休を挟んで、国会全体の流れを踏まえた与野党の水面下の攻防の中で、審議入りの有無や成立の可否が一歩ずつ進んでいくことになる。
派遣法改正案、注視される5月上旬以降の展開
与野党対決法案で重要広範議案の労働者派遣法改正案は、5月上旬の審議入りの動きとともに、出口である参院通過の日程感。さらに、9月1日施行を念頭にした場合、改正法案成立後に政省令などを決める労働政策審議会・労働力需給制度部会の開催スケジュールとその議論の着眼点が最も重要になる。
政府・与党は…
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